防食概論:防食の基礎

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 サイトの構成

 はじめに

 鋼橋などの鋼構造物に採用する【防せい・防食技術】を中心に紹介するが,他分野で用いられている技術も参考になるので,これらを含めて基本となる情報を中心に解説する。
 
 JIS Z 0103「防せい・防食用語」では,「防せい(錆)」(rust prevention)を“金属に錆が発生するのを防止すること。”と定義し,「防食」(corrosion prevention, corrosion protection)を“金属が腐食するのを防止すること。”と定義している。すなわち,「防せい」と「防食」とでは意味が異なる用語である。
 なお,同JIS規格で,「さび(錆)」(rust)は,“普通には,鉄表面に生成する水酸化物または酸化物を主体とする化合物。広義には,金属表面にできる腐食生成物をいう。”と定義され,「腐食」(corrosion)を,“金属がそれをとり囲む環境物質によって,化学的または電気化学的に侵食されるか若しくは材質的に劣化する現象。”と定義している。
 このように,用語の定義からは,「防せい」は腐食を許容するので,「防食」とは区別しなければならないが,実際には同等の意味合いで用いるなど,厳密な使い分けをせずに用いられることが多い。
 このサイトでは,厳密な使い分けが必要な場合を除き,主な用語として「防食」を用いる。

 

 構成内容について

 防食設計の考え方,防食原理の違いによるの分類の紹介,防食分類毎の概要を解説する。最後に,防せい・防食に用いる材料の評価・試験法の概要も紹介する。
【防食設計と分類】
1.防食設計とは
 金属腐食の与える影響,腐食コストに関する資料の紹介。
2.防食設計の前提
 経済効果の考え方,耐久性の考え方の紹介。
3.鋼構造物の現状
 道路分野,鉄道分野での鋼橋の建設推移,取り換え理由から見る維持管理の考え方を紹介。
4.防食設計時の要点
 防食設計で考慮すべき項目として,環境の腐食性,期待耐久性,維持管理条件などを解説。
5.防食法の分類
 防食原理による分類について解説。
6.防食法の概要
 防食原理の概要を紹介。
7.環境遮断による防食とは
 環境遮断による防食の原理,及び代表的な環境遮断方法を解説。
 
【環境遮断】
 具体的な環境遮断方法について,その原理と概要を次の要領に分類して解説する。
1.塗料・塗装とは
 詳細解説は,別途掲載予定,ここでは,塗料・塗装の基礎特性の解説。
 1.1 工業塗装と構造物塗装
 車や家電などの 「工業塗装」とタンクや鋼橋などの大型物件で実施する「構造物塗装」の塗装工程の違いを解説。
 1.2 塗料
 一般的な 「塗料の構成」,防食用塗料の例として「鋼橋塗装の塗料」を紹介。
 1.3 素地調整
 塗装に先立つ前処理で,塗膜の特性に最も影響する「素地調整とは」,新設時の素地調整で広く用いられる「ブラスト処理」の種類と特徴,素地調整の程度評価に関わる「さび度,除せい度」の概要と評価を紹介。
 1.4 塗装技術
 鋼橋塗装に関わらず,塗装作業で用いられる主な「塗装技術」を紹介。
2.有機ライニングとは
 有機ライニングの実用例,JIS規格などの紹介。
 2.1 有機高分子材料の基礎
 有機ライニングなどに用いられる基本材料である 「有機高分子材料」の種類と特徴を解説。
 2.2 有機ライニングの要求性能と分類
 有機ライニングとして用いる際に検討される「要求性能」と樹脂別の分類の紹介。
 2.3 有機ライニング鋼管
 JIS規格,及び団体規格の「有機ライニング鋼管」について紹介。
 2.4 有機ライニング鋼管の被覆法
 有機ライニング鋼管の一般的な「ライニング方法」,成形した「被膜の品質」評価法などを紹介。
 2.5 有機ライニング鋼管の施工と管理
 土壌埋設される「ライニング鋼管の設計・施工」に関連する手順や基準類の紹介。
3.無機被覆とは
 無機被覆の中で,防食目的で用いられる環境遮断性の高い「セラミックライニング,グラスライニング」,及びアルカリ性雰囲気にすることで防食する「モルタルライニング」の概要解説。
4.金属被覆とは
 金属被覆の分類として,被覆技術別の「一般的な分類」,防食原理に基づく「防食機能別の分類」について解説。
 4.1 電気めっき
 防食目的や装飾目的で用いられる「電気めっきの原理」,「電気めっきのJIS表記法」,及び「電気めっきの分類」について紹介。
 4.2 溶融めっき
 「溶融めっきとは」では,実用されている溶融めっきの種類と特徴について紹介し,「溶融めっき鋼」で溶融亜鉛めっき,溶融アルミニウムめっきの製法や品質を紹介し, 「溶融めっきの不具合」で,一般的にみられるめっき不具合の種類と特徴を紹介。
 4.3 金属溶射
 熱源や加熱方法の違いによる「金属溶射法の分類」,主な「溶射方式」の特徴,鋼橋に適用される防食目的の「溶射材料と手順」,形成した「溶射被膜の品質」や関連JIS規格を紹介。

【構造・材料対策】
1. 構造対策とは
 構造面からの防食対策について,「構造対策とは」で概要を解説する。次いで主な対策である「水分除去」の原理と効果,及び「酸素除去」の原理と効果について紹介。
2. 耐食材料
 鋼構造物の防食対策として,「耐食材料」を用いる場合について,実用例の多い「耐候性鋼材」を選択する場合の要点や留意点を解説。
 
「電気防食」
 電気防食とはでは, 電気防食の原理と種類について概説。
1.陰極防食
 海洋構造物や土壌埋設鋼管などで一般的に用いられる陰極防食の原理,及び陰極防食の 2方式(外部電源方式,流電陽極方式)を概説。
2.陽極防食・排流法
 陽極防食の原理,及び迷走電流腐食の対策として用いる排流法を概説。
 
「試験・評価法」
 金属の腐食性,各種防食対策の効果などを評価するため,試験片を用いた各種試験が実施される。試験・評価法とはでは,試験目的や試験実施上の留意点などの一般的な概要を解説。
1.試験片の準備と評価
 各種試験を実施する際のに,試験片の準備(前処理,後処理)で留意すべき一般的事項,試験中や試験後に実施される腐食状況観察での分類・表記方法を紹介。
 試験片の腐食程度の評価を腐食程度:全面と腐食程度:局部に分けて紹介。被膜の腐食劣化の評価に資する厚みの評価についても紹介。
 試験片の機械特性評価に活用される主な特性として,表面物性(粗さ・硬さ)評価,及び機械強度(引張り,曲げ,衝撃,疲労)を解説。
 最後に,試験片表面に生成した腐食生成物の化学分析方法を解説。
2.腐食試験
 室内で行われる促進腐食試験には,連続した腐食条件下で行う人工環境試験 と塩水噴霧,乾燥,湿潤などの条件を繰り返す複合サイクル試験がある。これらの試験条件,試験時の留意点などを解説。
 実際の屋外環境で行う大気暴露試験について,大気暴露試験とはで暴露試験の計画や試験方法選定時の留意点を解説し,大気暴露の実施で,試験片の設置や環境因子計測など暴露試験実施上の留意点などを解説。

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